青苧
伝馬(テンマ) |
40貫 |
幕府領主の公用。無賃。 |
本馬(ホンマ) |
36貫〜40貫迄 |
公用及び諸大名が、定賃銀で使用する馬。 |
軽尻(カラジリ) |
人が乗って荷を付けないものいうが、5貫目までの荷は許される。人を乗せないときは、本馬の半分20貫目までの荷。 |
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乗懸(ノリカケ) |
人が乗って荷物を付けたものいう。 |
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人足 |
荷物は5貫目まで。超えれば目方に応じて払う。 |
宿々間の賃銭は、それぞれ定められていた。駄馬輸送の困難な冬季は、専ら背負子による
ほかはなかった。延享3年の覚書(井上清右ェ門)では、下のようになっていた。社会情勢が大
きく変わった幕末には、物価高や季節によって、割り増しが行われていた。
区 間 |
米沢〜上小松 |
〜松原 |
〜手ノ子 |
〜沼沢 |
手ノ子〜白子沢 |
沼沢〜市野々 |
白子沢〜市野々 |
〜小国 |
〜玉川 |
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距 離 |
3里12丁 |
1里19丁 |
0里30丁 |
2里20丁 |
3里00丁 |
1里30丁 |
1里14丁 |
2里23丁 |
2里06丁 |
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駄賃 (文) |
本馬 |
138 |
68 |
32 |
175 |
193 |
133 |
115 |
155 |
164 |
軽尻 |
92 |
45 |
22 |
116 |
129 |
89 |
75 |
103 |
110 |
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人足 |
69 |
34 |
11 |
59 |
65 |
44 |
38 |
52 |
55 |
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備 考 |
手ノ子〜沼沢間 下十五日馬継 沼沢〜市野々下十五日間馬継 |
実際には、この金額に問屋への保管手数料や宿泊料等もかかる。
例えば、手ノ子から小国まで馬で40貫目(150kg)の荷物を運ぶと463文かかることになる。
文政年間(1818〜1829)の記録をもとにすると、1文が約12円なので5,600円ぐらいだが、この外に問屋手数料や1泊の宿泊料等もかかったものと思われる。
人足(背負子)で5貫目(19kg)の荷物を運ぶと155文かかることになる。155文だと米(上白米)を4.3升(6.5kg)買えた。
馬は、乗用、荷駄用、軍用として、また、駅伝、宿継、農耕用として広く使用され、牛とともに我が国の重要な家畜であった。馬市は、今日では見られなくなったが、昔は各地で開かれたものである。上杉藩では、正保2年(1645年)初めて赤湯に馬市を開き、慶安3年(1650年)、領内の馬市開催の日を次のように定めた。
3月25日 から 4月11日まで 長手村 4月12日 から 4月28日まで 赤湯村
4月29日 から 5月15日まで 小出村(長井) 5月16日 から 6月 2日まで 中小松村
6月 3日 から 6月19日まで 馬苦労町(米沢) 6月20日 から 7月 6日まで 亀岡村
7月 7日 から 7月23日まで 糠野目村 7月24日から8月10日まで栖之島(州ノ島)
8月11日 から 8月27日まで 上小松 8月28日 から 9月14日まで 鮎貝
9月15日 から 9月
晦日まで 宮村(長井)
1市は16日間とし、領内11箇所において行われた。小松の馬市で買われた2歳駒の中には、雪解けの越後街道へ向かい、越前・越中・越後へ運ばれたものも多いという。