伊藤は18歳(20歳という説もあり)で身長は150p足らず。
『がに股ながら、よく均整のとれた頑丈そうな体躯の持ち主です。顔は丸顔で妙にのっぺりしており、きれいな歯と細い目をしています。それに重そうに垂れたまぶたはまるで日本人によくあるまぶたを戯曲化したようです。』
『伊藤はその割におしゃれがえらく好きで、歯を白くしたり、鏡の前で丁寧に顔に粉をはたいたり、日に焼けるのをひどく嫌がったりするのです。手にも粉をはたいていますし、爪を磨き、外に出るときは必ず手袋をはめます。』
旅の途中(藤原)では、『伊藤はとても頭がよく、いまでは料理人、洗濯人、一般的なお供、それにガイドと通訳をすべて兼ねるほど有能で(中略)彼は強烈に日本人的で、その愛国心には自分の虚栄という弱みと強みがしっかりとあり、外国のものは何でも劣ると思っています。』
また、週に一度長い手紙を母宛に送っているし、送金もしており親孝行な若者といえる。旅行中の唯一の楽しみは夜の按摩だったという。 |